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笹木三月子大根(ささきさんがつこだいこん)
食感・甘みが朝市の顔 仲間と苦労10年、自信に
'10/02/12

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 1月下旬、カブに似た丸みが特徴の「笹木三月子大根ささきさんがつこだいこん」の出荷が始まった。3月下旬ごろまでの毎週土曜日、広島市安佐南区高取北1丁目で開かれる近菜高長きんさいたかちょう朝市には、遠方からのファンも訪れる。

 歯切れのよい食感で、煮くずれしにくく甘みがある。「水分が少ないから、天ぷらもおいしいんよ」。生産者の加藤百合子さん(67)と中村順子さん(55)たちが、食べ方を来場者に教える。

 笹木三月子大根は、生みの親である安佐南区長楽寺の故笹木憲治さんにちなんで名付けられた。1960年代初めから、聖護院大根と三月子大根を交配させ、約10数年かけて作った。その後、高取や長楽寺周辺で盛んに生産された。しかし、ふぞろいな形や出荷時にひび割れしやすく手間がかかることなどから次第に姿を消した。

 復活させたのは、99年に地元の主婦20人以上で立ち上げた「近菜高長朝市出荷組合」。朝市に特色を出すため、地域に伝わる大根に着目した。自家用に栽培し続けていた笹木さんの家族から種をもらい、5戸で栽培を始めた。2001年、収穫した60本を出荷すると、「地元の野菜がまた食べられる」と喜ばれた。

 当初は、土や肥料の配分、水はけ具合などに四苦八苦した。栽培や出荷時の苦労は昔と変わらない。「こがんややこしい野菜なんじゃけど、おいしさを伝えたいけえ作るんよ」と加藤さん。今では、16戸が栽培している。

 出荷と同時に、年に一度開催する「大根祭」の準備に追われる。多くの人に知ってもらいたいと6年前に始めた。100本以上を出荷し、料理もふるまう。昨年は100人以上が訪れ、手応えを感じた。

 「ようやくここまでこれた」。中村さんは振り返る。仲間と励まし支え合ってきた10年が自信につながっている。(奥村菜穂、写真も)

メモ
 大根祭は、2月27日(土)午前10時〜午後1時、広島市安佐南区高取北1丁目4―18のJA広島市高長コミュニティホールで開く。笹木三月子大根約170本(1本100〜200円前後)や、天ぷらなどに加工した料理を販売するほか、大根の他にニンジンや豚肉などが入っている「近菜汁」の無料サービス、もちつきなどを予定している。
地図・広島市安佐南区


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